黒羽の杜

生まれも育ちも全く関係のない北関東に落ち延びた、とある漢の趣味のBlogです。

特異な繁殖行動&産卵セット準備

こんばんは。

以前紹介したタランドゥスのペアリングを行いました。
相手の認識はお互い迅速ですが、
♂が♀を前脚でどつく特異な繁殖行動をとるため、
足場がしっかりしていないとなかなか成立しません。
※中にはそれをものともしない個体もいるかもしれませんが...

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この状態では足場がしっかりしておらず、なかなか決まりません。

そこで、段ボール片にカッターで切り込みを入れたものを入れてやりました。

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足場はバージンコルク、樹皮の付いた産卵木、猫の爪とぎでも良いと思います。

アンタエウスなどのドルクス属のクワガタと異なり、
タランドゥスやレギウスは、対面方式でのスタートが好ましいです。

♀は成熟しており、かつ未交尾の場合、非常に意欲が旺盛で、
積極的に♂の体の下へ潜り込もうとします。
♂は♀のその動きを前脚、中脚の付け根にある毛束(感覚毛)で感じ取っているようです。

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どのクワガタにもある短い毛束(赤)に加え、オレンジ色の発達した毛束(緑)があります。
何のためにそうなっているのか、考えてみると面白いですね。

♀が正面から自分の下に潜り込んでいることを確認すると、
♂は前脚を使って♀を数回どつきます。
互いに踏ん張る足場がないと、♂はこれを思ったように行えず、
♀がその勢いでふっ飛ばされてしまうこともあります。
その後、♂はクルッと回転し、後脚で♀の尻をすり回して、
♀が尻を大きく上げると成立します。

大きい方のペア(♂66mm、♀50mm)ではすんなりと上手くいかなかったため、
同時進行で少々早い気もしましたが、小さい方(♂63mm、♀47mm)も試しました。
小さい方はやや間隔を空けて2度、5分程度の交尾を確認し、
大きい方は同じく5分程度を1度しか確認できず、丸一晩同居させました。

複数ペアいると上手く、積極的なものとそうでないものがばらけることがあります。
それゆえ、状況に応じて相手をチェンジするなどができ、安心できますね。

用品は以下のものを調達しました。

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定評のある植菌レイシ材です。

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エノキ主体のカワラタケ菌糸ビン(1400cc)

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フタを取るとこのようになっており、しっかり菌が回っています。

(有)微総研様の培養産卵材M2玉(レイシ)と、
(株)charm様のXL-POT(カワラタケ)1400ccです。
定評のある植菌材に加え、よくあるクヌギ主体のものではないカワラ菌床の二段構え。
レイシ材は少しずつ茸が伸びてきている状態、
ボトルは良い感じなもののまだ菌の勢いは強そうですので、
もう少し飼育部屋の温度で熟成させ、使ってみようと思います。